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北岡用語解説集 (アーカイブ)

エッセイその一:アイソレーション タンクと扁桃体とヘルメス トリスメギストス

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最新情報:今後、北岡用語解説集の「アーカイブ」セクションに、逐次、書き下ろしエッセイをアップしていきます。乞うご期待ください。

最近、私は、岡山市内でエグゼキュティブ個人セッションを行い、同時に、市内にある「アイソレーション タンク」に入りました。

(「アイソレーション タンク」については、以下を参照してください。

http://www.kitaokataiten.com/glossary/#isolation)

以下にあるのは、アイソレーション タンクの写真です (http://www.kitaokataiten.com/imgdir/img/isolation.jpg) 。


アイソレーション タンクでは、今回も、さまざまな「入眠時催眠イメージ」が見えましたし、特に左手の緊張の「浄化」が行われたような気がしています。

今回は、最近の私の興味である「扁桃体」をリラックスさせるとどうなるか、最近の私の独自開発のテクニックをタンク内で自己適用したらどうなるか、がテーマでしたが、いつもながらに興味深い体験でした。

実は、アイソレーション タンクに入ろうと思い立ったきっかけは、これまでも言及してきている思索家のガリー ラヒマンの『ヘルメス トリスメギストス』という本を読んでいたのですが (ヘルメスは、アトランティス時代のトートとも同一視されている神話的な人物で、『エメラルド タブレット』の著者ともされていますが、彼の奥義性には普遍性があります。ラヒマンによれば、もしかりに中世の教皇がもう少し「オカルト」的要素に対して許容性があったなら、ヘルメスの教えがキリスト教の中に導入されていた可能性もあります。歴史的には、ヘルメスの教えは、結果的に、宗教 (キリスト教) にも、科学にも排斥されてしまいましたが、ラヒマンは、今後の人類の意識の「スパイラル」的な発展には、ヘルメス的な密教の要素の導入が必須と見ているようです)、この本の最後の方で以下の文章を読み、実に興味深いと思い、この「古い脳」 (この文章では、扁桃体の言及はないですが) をぜひともアイソレーション タンクで活性化したいと思った次第です。

以下は、私の『ヘルメス トリスメギストス』の抄訳です。かなり長い引用になっています。

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覚醒時に見る明確な、独立したイメージは、短時間続く幻想的な状態で起こる「入眠時 (出眠時) 催眠イメージ」の現象です。この現象は、睡眠と覚醒の狭間で起こり、特に、スエーデンボルグ、シュタイナー、ユングといった思索家は、この奇妙な中間の意識状態を探索した神秘家でした。彼らは、入眠時催眠イメージを使って、深層心理の旅をしました。

もっとも網羅的な入眠時催眠状態の研究書は、1987 年刊のアンドレアス マヴロマティス著の『Hypnagogia (入眠時催眠)』 です。簡単に言うと、入眠時催眠状態は、「覚醒時の夢」です。これは、「夢見時の覚醒」である「明晰夢」とは区別されるべきです。入眠時催眠も明晰夢も、睡眠と覚醒の狭間で起こりますが、マヴロマティスは、入眠時催眠状態は、意識的なリラクセーションによって自由意志で誘発できる、と主張しています。

マヴロマティスによれば、入眠時催眠状態は、「古い脳」として知られている大脳皮質下部の脳構造と関連しています。彼によれば、入眠時催眠状態では、通常支配的な、最近進化した人間の特徴である大脳新皮質が抑制され、網状脳幹中枢、海馬、延髄、視床といった古い脳構造が優勢になります。大脳皮質の活動は、明晰な論理的思考と明確に定義された外界の知覚に関係しています。そのような活動が抑制されると、古い脳構造が支配的になります。古い脳構造は、言語や明確に定義された概念ではなく、内的な経験や、イメージ、象徴、比喩といった「論理以前」の思考と関係しています。

入眠時催眠状態を「覚醒時の夢」と呼ぶことで、マヴロマティスは、この状態を、タントラ ヨガの、覚醒意識、夢見意識、熟睡意識が交わる「第四の意識状態 (チュリヤ)」と関連づけています。マヴロマティスが、意識の中心であり、入眠時催眠状態の源と見なしている視床は、解剖学的には、爬虫類脳、大脳辺縁系、大脳皮質の人間脳の三層とつながっています。マヴロマティスによれば、これらの各層の脳は、独自の「論理」をもっていて、各脳の意識には互いに交流がないように思われます。入眠時催眠状態では、大脳皮質の支配が、睡眠もしくは深いリラクセーションによって抑制されることで、他の脳の意識が優位になります。眠ることで、大脳皮質の意識が遮断される際、そうとは気づかないまま、他の意識形態に移っていきます。これは、人間の意識的な、「観察する自我」は大脳皮質の意識と同一化しているからで、大脳皮質に意識がない場合、他の脳を観察する「人」がいなくなります。ただし、最小限の大脳皮質の覚醒を維持することは可能で、この場合は、古い脳の意識を観察することができます。これが、まさしく、「第四の意識状態」タントラ瞑想が目的としていることで、また、意識的に誘発された入眠時催眠状態が達成しようとしていることです。

マヴロマティスが指摘するように、瞑想状態では、視床と他の古い脳構造が活発になっていて、瞑想家は、眠りに落ちないだけの意識が維持されています。つまり、古い脳のスイッチが入るように新しい脳が遮断されています。入眠時催眠状態では、各脳がお互いに観察し合っています。

マヴロマティスは、他の理由からも、視床を重要視しています。これは、松果体がその内部に配置されているからです。 松果体の機能は、神秘に包まれています。デカルトは、松果体が「霊魂の宿るところ」と信じたので、批判を受けたりしました。しかし、現代の神経科学と古代の智慧は、デカルトはそれほど的を外していなかった、と示唆しています。松果体は、3 億 5 千万年から 4 億 5 千万年くらい前から存在しています。そのもっとも初期の機能は、原始的爬虫類の頭頂にある一種の目の機能でした。人間を含む現代の脊椎動物では、松果体は、今なお光に敏感で、人間の初期生命段階では、「松果体眼」が現れます。この器官はすぐに消滅しますが、関連した、光に敏感な腺が残ります。哺乳類では、松果腺は、アミノ酸のメラトニンを生成します。これは、神経伝達物質のセロトニンの生成に重要な役目を果たしています。

メラトニンについての興味深い事実は、過度な光とストレスにより、その生成が抑制される傾向にあり、これにより、松果体のサイズが小さくなります。光の欠如とリラクセーションにより、メラトニンの生成と松果体の活動が活発になります。メラトニンをサプリとして摂取すると、神経系統がリラックスする効果があります。リラクセーションがメラトニンの生成を促進させ、そのことでリラクセーションが深くなるという良循環があります。これが、なぜ神秘家が静寂さと暗闇を好み、伝統的に詩人が夜行性なのか、の神経学的な根拠となっています。

それはまた、古代ヒンズー密教の「第三の目」の神経学的な根拠にもなっています。松果体は、神秘的洞察の源と考えられている場所に位置しているので、デカルトは、批判者が思ったよりも、「霊魂の宿るところ」を正確に指摘していた可能性があります。「第三の目」が開くと、「精神的神秘性」と「悟り」が生まれますが、これは、メラトニンの生成とその神経伝達物質への影響の関係性を示唆しているのかもしれません。

マヴロマティスは、松果体と第三の目の間に強い関係があると指摘し、さらに、入眠時催眠状態と関連している神秘的な状態を生み出していると彼が信じている、古い脳と新しい脳の構造の「交差部分」は、ヘルメス トリスメギストスの「使者の杖」の象徴と対応していると主張しています。「第三の目」が開くことは、古代の精神的神秘性の再覚醒を象徴しています。この精神的神秘性は、古代の人類はもっていたのですが、進化のために必要だった「物質への転落」のために一時的に (数百万年間) 失われたもので、今後しかるべきときに、より高い精神的レベルで再獲得されることになるはずです。

「古い脳」に格納されている初期の意識形態に戻ることによって入眠時催眠状態が生成されるという事実は、「古代の智慧」に新しい意味を与えます。興味深いことに、マヴロマティスは、古い意識形態が新しい「大脳皮質」の意識によって観察され、両方の意識形態を「超越」する意識 (「第四の意識状態」) が生まれることで、このことが達成される「スパイラル性」に注目しています。この「スパイラル的超越」は、二匹の蛇が絡んでいる「使者の杖」や「ウロボロス (自分の尾を呑み込む蛇)」といったヘルメス的テーマと密接に関連しています。

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以上の引用についてですが、以下の私のコメントがあります。

1) ドランヴァロ メルキゼデクの『フラワー・ オブ・ライフ』等によれば、古代アトランティス人は、松果体を通じてプラーナ (気) を体内に取り入れていた (!) そうです。人類は、この呼吸法をやめ、肺呼吸をするようになったので、松果体が衰退した、と言われているようです。

2) 上記の引用内容は、最近の私の扁桃体に関する研究と首尾一貫した内容になっています。実は、私は、しばらく前にマヴロマティス著の『Hypnagogia (入眠時催眠)』を読んでいましたが、当時は扁桃体 (「古い脳」) にそれほど興味がなかったので、上記のラヒマンの指摘で、マヴロマティスが 1987 年にすでに、私の最近の研究内容とほぼ同じことを言っていることを再認識させられた次第です。

3) 上記の引用の「スパイラル的超越」のモデルは、私の最近の「現象界と霊界のスパイラル的弁証法的止揚統合」ワークのテーマ (用語解説集の「スパイラル式良循環」を参照してください) とほぼ同じことを示唆しているので、個人的には「驚愕」しました。

ということなのですが、「新しい脳が遮断されることで古い脳が優勢になるメカニズム」にしろ、「意識状態のスパイラル的超越」にしろ、「意識の研究者」は、全員、必然的に、ほぼ同じテーマを最重要視するようになるようです。